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海苔の栄養

ご飯と海苔で活力のお手伝い

海苔に含まれるビタミンB1、B2は糖質を効率よくエネルギーに変える働きがあります。日常生活のエネルギー源である糖質や脂質はそのままではエネルギーに変換されないので海苔などのビタミンB群を含む食材がご飯の消化を助け、脳の働きを活発にするなど手助けをしてくれます。「ご飯に海苔を巻いて食べる」ことはおいしいだけでなく、糖質の多いご飯を体の中で効率よくエネルギーに変えるのに最適な組み合せです。

3つの旨みを含んだ「日本の味」

海苔は日本伝統的な味である、グルタミン酸(主に昆布に含まれるうまみ成分)、イノシン産(主にかつおぶしに含まれるうまみ成分)、グアニル酸(主にしいたけのだし汁に含まれるうまみ成分)を含んでいますのでご飯に巻いただけで旨みを感じます。

海苔は海藻の仲間

海苔は海藻の仲間です。海藻を分類すると養殖ノリの原料になるスサビノリ、アサクサノリなどは紅藻類、ワカメ、ヒジキなどは褐藻類。アオノリ、アオサなどは緑藻類。赤味、褐色、緑色など海藻の色で分類します。植物のように、大気中からCO2(二酸化炭素)・海から栄養分や水分を吸収し、太陽の光を浴びて光合成をして生長します。

海苔の歴史

海に囲まれるわが国では、古代から海苔は若布、昆布などと共に海草類として、魚介類とならんで海の幸と呼ばれ、広く食べられていました。 歴史に残る記録では、大宝元年(西暦701年)の2月6日に、文武天皇が大宝律令という法律を定めた中で「調」(みつぎ)という一種の税金に当時の海苔の呼び名である「紫菜」をとり入れています。海苔以外にも海草7種が調とされましたが、そのうち海苔を最も高価なものとしています。調として集められたものは、貴族の食物として珍重されていたようです。その当時は天然自生のものを採集していました。これにちなんで、大宝律令が施行された2月6日を「海苔の日」と定めました。また、この頃に海苔の生産の最盛期を迎えることから海苔の消費拡大を目的として、記念行事やイベントが実施されています。

江戸時代になってからは、人工的に養殖するようになり商品化がすすみ、江戸の名産として欠かすことのできない食物に成長しました。当時はのりの生態が不明だったため、養殖は経験や勘に頼るところが大きく、量も品質も不安定なものでした。1949年にイギリスの藻類学者だったドゥルー・ベーカー女史がのりの生態を解明したことで、養殖技術が発展し、安定したのりが生産できるようになりました。

明治時代に入ると、ますます食卓に欠かせない伝統の味として親しまれるようになりました。そして、大正を経て昭和になり、戦時中の食糧品配給統制により、全国各地の山の中まで一率に配給されたことが、海苔をさらに大衆の味として全国に広げた原因となりました。毎年2月6日は海苔の日と定めてさらに昭和を経て令和の今日では日本のみならず、広く海外まで海苔の消費が広がっています。現在では年間69億枚(2019年度)の海苔が生産されています。

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